今年度の3年生はいわゆる「00JAPAN」世代。一昨年のU17W杯もまだ記憶に新しいところです。ガンバではユースから谷晃生。三菱養和SCユースから中村敬斗が若干16歳でプロの世界へ飛び込みました。

この学年が中学3年時の全国大会を見てみると、春のJFAプレミアカップでは京都サンガが優勝、夏のクラブユース選手権ではガンバ大阪と京都サンガが3位入賞、冬の高円宮杯セレッソ大阪が優勝、ガンバ大阪が準優勝でした。関西勢の著しい活躍が目立つ今世代。それが軒並み揃う"WEST"での戦いは、例年以上に過酷になると想像する反面、その中でもガンバユースが躍動する姿を思い描くとワクワクが止まりませんでした。

5得点5失点と今年のカラーを存分に発揮した開幕戦。点は取れるものの踏ん張り切れずに失点し、勝ち点を落としてしまう姿が歯痒い前半戦でした。結果としてリーグ優勝のサンフレッチェ、3位グランパス、4位サンガとはホーム・アウェイ含めた6試合で5分1敗。この5引き分けは全て同点に追いつかれた試合でした。
開幕戦 円陣
どこか1試合でも勝ち切れていれば...と後悔は尽きませんが、負けなかったのも強さ。地道に勝ち点を積み上げていたガンバユースは常に首位を射程圏内に見据えていました。しかし何と言っても昨年は相次ぐ天災により、試合が消化出来ない期間が続きました。8月までに万博で開催できたホームゲームはたった1試合。足並みの揃わない順位表を見ながらの戦いに難しい部分があったのは事実です。

第12節のアウェイ東福岡戦ではシーズン3度目の5失点。リーグ戦では4節以来の2敗目でした。

「来週のダービー、勝つしかないで。負けたら優勝ないで。」

自分がアカデミーの応援を始めて以来、ハッキリと厳しい言葉をかけたのはこれが初めてでした。正直、もし次負けてしまったら、なんて声をかければいいのかと考える自分がいて、やっぱり言うのは止めようかなと寸前まで悩みに悩んだことを記憶しています。

東福岡戦後
写真:@foot2b

背水の陣で迎えた大阪ダービー。気合十分で臨んだゲームは90分間集中を切らさず、見事2-0で勝利。そしてこの試合で今シーズン初の無失点を記録したのでした実は4節で初黒星を喫していたのがセレッソ。スコアは1-5の大敗でした。言葉をかけてからのこの1週間がとてつもなく長く、何度も「もし負けたらどうしよう」と不安になったのを思い出します。だからこそ勝った瞬間はとにかく安堵でした。まだこのチームで優勝狙える。ただそれだけが素直に嬉しかったです。

ダービー18

急遽ミッドウィーク開催となったアウェイ・アビスパ戦も5ゴールを奪い難なく蹴散らし、運命の首位・サンガ戦へと繋げました。落とせる試合はないと言い切ってから怒涛の4連勝。出来ることは全てやってきました。先制ゴールをこじ開けたのも束の間、サンガの攻撃を一方的に受ける時間帯が絶え間なく続きました。ギリギリの粘りを見せてくれたDF陣でしたが、逆転を許し敗戦。ホーム初黒星でした。確かにスコアだけ見れば、これも今シーズンの象徴である追いつかれる展開。その中でも確かな成長を見て取れたのがこの試合でした。「コイツら上手くなってる。まだ強くなれる。」そう感じたことが残りのゲームのモチベーションに繋がったと思っています。

京都戦 耕平
写真:@tomoppuphoto

自力での優勝が消滅しましたが、残されたラスト2試合。17節は同点のまま後半ATを迎え、いよいよ終戦を覚悟しました。が、彼等はまだ諦めてませんでした。昨年から幾度となくチームを救ってきた2年生ジョーカー・大谷優斗にこの日も助けられました。ベンチ入りはするものの、1年生・唐山翔自が交代ではファーストチョイスとなっていた攻撃陣。なかなか出番が得られず、悔しい想いをし続けてきた優斗が結果を残してくれたのは何とも表現できない喜びでした。

神戸戦大谷ゴール
写真:@___gamba516

昨年の烈志が11試合(611分)に出場して7ゴールを奪いましたが、今年の優斗は10試合(224分)で8ゴールと圧倒的。もちろん優斗以外にも頼もしい後輩たちに恵まれました。

他力も実り、最終節まで優勝の可能性を残したガンバユース。最終節は7点差での勝利が絶対条件と、実に今シーズンにふさわしいミッションでした。結果はシーズン6試合目となる5ゴールを記録。そして後半ATに失点。攻撃でも守備でも最後まで”らしさ”を貫いてくれました。

最終節勝ちどき

優勝は叶いませんでしたでしたが、総得点56得点。これはガンバユース史上1位はもちろん、現行のプレミアリーグが創設された2011年から最多の得点記録となりました。ちなみに失点数は37失点。これもガンバユースがプレミアリーグに参入した2013シーズンからで最も多い数字でした。1試合平均3.11得点2.05失点。トップチームが苦しむ反面、ガンバとはどうあるべきなのかをしっかり示してくれました。言わずもがなの大阪スタイルです。シーズン終了後に耕平が「点は取れたけど、やっぱり失点が多すぎた。でも、楽しいサッカーを年間通じて見せられたと思う。」と語ってくれました。サポーターはもちろん、後輩達の目にもしっかり焼き付いたと思います。自信を持って次のステップに進んでほしいです。



4年後か、10年後か。それとももっと先かもしれない。僕たちはずっと待ってます。また青と黒を纏う君を。



楽しいシーズンをありがとう!3年間お疲れさまでした!


三年生卒団
写真:@foot2b

最後になってしまいましたが、シーズン途中でお別れとなってしまった實好さん。結果的にラストゲームとなったクラ選レイソル戦に立ち会えて良かったです。選手からの信頼も絶大でした。新天地での活躍、楽しみにしています!急展開でチームの舵を取ることになった島田さんですが心配はしていなかったです。しっかり優勝争いを演じていただき、感謝してもしきれません。ありがとうございました!そして今年もよろしくお願いします!
實さん 挨拶